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【コラム】少子化が変える”家のかたち”――子供部屋はもう要らない?平屋人気とペット家族化のリアル

🐈ペットが子供より多い、という意外な事実

「日本では飼い猫の数が小学生の数より多い」——そんな話を聞いて驚いた方も多いのではないでしょうか。

正確に言うと、犬と猫の飼育数を合わせると、15歳未満の子供の数を上回っているというのが実態です。

総務省の発表によると、2025年4月1日時点の子供の数(15歳未満人口)は1,366万人で、44年連続の減少。

一方で、犬猫の飼育頭数合計は約1,567万頭にのぼり、子供の数を大きく超えています(一般社団法人ペットフード協会調べ)。

実はこの現象、単に「ペットブーム」というだけの話ではありません。

日本の家族のあり方そのものが変化していることの表れであり、その変化は「住まいの形」にも静かに影響を与えています。

 

📉少子化のリアルな数字

子供の数とペットの数の差は、年々広がっています。

  • 子供の数(15歳未満):1,366万人(2025年4月1日時点、前年比35万人減)
  • 犬猫飼育頭数合計:約1,567万頭(2025年度推計)

少子高齢化や核家族化が進むなかで、ペットが精神的な支えや癒しを与えてくれる存在として、家族の一員に位置づけられるようになってきていることが背景にあります。

🏠家族の形が変わると、家の形も変わる

「家族の形」が変われば、当然「住まいの形」も変わります。

かつての住宅選びは「生涯1つの家に住む」ことを前提に、部屋数や収納の多い一戸建てを選ぶのが一般的でした。

しかし今は、単身世帯、夫婦のみ世帯、ひとり親世帯、高齢者世帯など世帯のあり方が多様化し、ライフステージの変化も激しくなっています。

SUUMOリサーチセンターはこの状況を「都度最適」というキーワードで説明しています。

生涯の暮らしを一度に想定するのではなく、その時々の自分の状況に合わせて、最適な住まいをその都度選ぶ時代になってきているという考え方です。

子供の数が減り、世帯人数がコンパクトになれば、住まいに求められる広さや部屋数も自然と変わってきます。

 

📊データで見る平屋トレンド

この流れを裏付けるように、国土交通省の「建築着工統計調査」では興味深いデータが出ています。

専用住宅(居住のみを目的とした住宅)の着工数は、過去10年で50万4,730戸から37万7,949戸へと25.1%減少しました。

新築住宅全体が減少する一方で、平屋住宅だけは増え続けており、専用住宅に占める平屋の割合は7.4%から15.4%へと、10年間で2倍以上に増加しています。

地域別に見ると、九州地方で平屋率が特に高く、2022年の調査では宮崎県・鹿児島県で新築一戸建ての半分以上が平屋という結果も出ています。

地価が高くない地域ほど、広い敷地を活かして階段のない平屋を選ぶ傾向が強いようです。

SUUMOリサーチセンターも2023年の住まいのトレンドキーワードに「平屋回帰」を掲げ、求められているのはかつての豪華な邸宅ではなく、ローコストで性能の良い「コンパクトな平屋」だと指摘しています。

 

❓なぜ平屋が選ばれるのか

平屋が選ばれる理由は、少子化・世帯縮小という背景と密接につながっています。

ワンフロアで完結する暮らしやすさ
階段の上り下りがなく、子育て世代にも高齢世代にも生活動線がラクです。

将来を見据えたバリアフリー性
階段がないことは、将来的な身体の変化への備えにもなります。

身の丈に合ったコスト感
延床面積をコンパクトにすることで、教育費など他の支出に資金を回したい家庭にも合理的な選択肢になります。

ペットとの暮らしやすさ
段差が少なく見守りやすい平屋は、ペットと暮らす家庭にも相性が良い住まいです。子供は減っても、ペットという「もう一つの家族」と心地よく暮らせる住まいへのニーズは、確かに存在しています。

 

💫大きな家が余る時代に、私たちができること

少子化は「家族が減る」という話だけでなく、「住まいに対する価値観そのものが変わる」という話でもあります。

これまで広い家に住んでいた世帯が高齢化し、いずれ住まいを手放すケースは今後さらに増えていくでしょう。

そうした既存の大きな住宅を、今のニーズに合わせてコンパクトにリノベーションしたり、平屋への住み替えをサポートしたりすることも、私たちのような不動産会社に求められる役割の一つだと感じています。

 

🌟まとめ

「猫の数が小学生より多い」という一つの驚きの数字から見えてくるのは、少子化が単に「子供が減る」という話で終わらないということです。

家族の形が変われば、住まいに求められる条件も変わります。

「広い家=幸せ」という昭和・平成的な価値観から、「身の丈に合った暮らし」を選ぶ令和的な価値観へ。

平屋人気の高まりは、その変化を最もわかりやすく映し出しているデータなのかもしれません。

一方で、この変化を「時代の流れだから仕方ない」と受け止めるだけでいいのか、という問いも残ります。

子供を持つことへの経済的・社会的なハードルが下がらない限り、住まいも家族も小さくなっていく流れは止まりません。

住まいの専門家としてできることは、今ある暮らしの変化に最適な住まいを提案することだけでなく、子育て世帯が安心して家を構えられる環境づくりに、地域から少しずつ貢献していくことなのではないかと思います。

少子化という大きな社会課題に対して、不動産業界が担える役割は決して小さくないはずです。

 

【この記事を書いた人】本社 津嶋

 


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