「タイパ」「コスパ」という言葉に、最近ちょっと疲れていませんか?
効率を求めて、最短で、最安で、正解に辿り着こうとする。
けれどその「正解探し」自体が、実はじわじわ私たちを消耗させていたのかもしれません。
そんな中、住まいづくりの世界で新しいキーワードが注目されています。
それが「メンパ(メンタルパフォーマンス)」
情報や選択肢が多すぎて比較検討が終わらない「決定の疲労」、後悔したくない・失敗したくないという「精神的な消耗」を減らし、心を良い状態に保ちたい——という価値観です。
住宅選びは、まさにこの「決定疲労」が起きやすい代表的なジャンル。
今回は、最新の調査データも交えながら、「メンパ」という視点で住まい選びを考えてみたいと思います。
💴金利が上がって、なんだか怖い——でも「買い時」だと感じている人も増えている

ニュースで金利上昇の話を見るたびに、「新築で大きいローンを組むの、ちょっと怖いな」と感じる人は多いのではないでしょうか。
実は、SUUMOリサーチセンターの最新調査(2025年)によると、住宅購入・建築検討者のうち「買い時だと思っていた」割合は50%で、2020年以降で最も高い水準になっています。
一見、前向きなデータに見えますが、その理由を見てみると少し複雑な心理が見えてきます。
買い時だと思った理由のトップは「これからは、住宅価格が上昇しそう」で50%。
つまり「金利は怖いけれど、今買わないともっと高くなってしまうかもしれない」という、矛盾した焦りが背景にあるのです。
「正しい選択をしたい」「失敗したくない」という気持ちが強くなるほど、決められなくなる。
これはまさに”メンパ”がすり減っている状態だと言えるでしょう。
💖中古住宅という選択が「メンパ」にいい理由

こうした中、注目したいのが中古住宅という選択肢です。
同調査では、新築希望の割合が63%と、2019年以降で最も低い水準になりました。一方で、中古一戸建てや中古マンションの検討率は、年々上昇傾向が続いています。
なぜ中古という選択が、心の余裕につながりやすいのでしょうか。
①予算の天井が見えやすい
調査では、新居で解決したい元の住まいの課題として「住宅費がもったいない」(17%)「資産性がない」(10%)という項目が、2019年以降で最も高くなっています。
新築でゼロから理想を描こうとすると、予算も選択肢も無限に広がってしまいがち。
一方、中古は「すでにあるもの」から選ぶため、比較検討の範囲が現実的になりやすいのです。
②将来の柔軟性も確保できる
「持ち家が資産として有利だと思う理由」を聞いた質問では、「自分が住まなくなっても、賃貸住宅として貸し出せれば、収入が得られるから」という回答が52%でトップでした。
新築でなくても、将来住み替えや賃貸に出すという選択肢は十分に持てる、ということが見えてきます。
③「これで完璧」より「これで十分」という納得感
選択肢が有限だからこそ、ゼロから決める負担が少なく、納得して決断しやすい。
これこそが、メンパを高める住まい選びの本質なのかもしれません。
🌟中古住宅は「予算が厳しい人」だけの選択肢ではない

「中古住宅は予算的に新築が難しい人の選択肢」というイメージを持っている方も多いかもしれません。
ですが、SUUMOリサーチセンターの最新調査(2025年)の世帯年収別の検討率を見てみると、少し違う実態が見えてきます。
中古一戸建て・中古マンションの検討率は、実は世帯年収が低い層と高い層の両方で高くなる傾向があり、間の年収帯でやや落ち着くという、ゆるやかなU字型を描いています。
特に年収1,200万円以上の層では、中古マンションの検討率が4割を超えるなど、決して低くありません。
これは、予算の都合だけでなく、資産性や立地、暮らしやすさを冷静に見極めた上で、戦略的に中古を選ぶ層が一定数存在することを示しています。
実際、調査でも「資産を持ちたい」という購入理由は、年収が高い層ほどスコアが高くなる傾向が見られました。
ちょうどこの年収帯は、リフォーム済みで駐車場が2〜3台付き、ご夫婦それぞれが車を持てるような中古一戸建て(1,200万〜2,000万円台)を求めやすい層とも重なります。
「中古だから妥協する」のではなく、「中古だからこそ、無理なく暮らしやすさを手に入れられる」という選び方が、実はもっと広い層に当てはまるのかもしれません。
⛰️都市部から田舎暮らしを考えている人へ

新築一戸建てのために都市部で無理をするより、少し足を伸ばして地方の中古住宅を見てみるのも一つの選択です。
調査では、住まいを探す際に「自然災害のリスクが少ない地域である」を重視する人が29%と、年々少しずつ増加しています。
日本は地震大国なので日本に住んでいる限り地震のリスクは避けられませんが、新耐震基準を満たす家を選ぶなどリスクを減らすことは可能です。
福島はアクセスも悪くなく、自然と時間にゆとりがある暮らしは、それ自体がメンパを高める環境とも言えるでしょう。
また、いきなり移住という選択でなくても、「デュアラー・2拠点居住」という言葉を知っている人も増えてきています(39%)。
週末や一定期間だけ違う場所で過ごす、という緩やかな関わり方から始めてみるのも一案です。
実際、弊社のお客様にも奥様の実家がある福島の中古住宅をご購入いただき、2拠点で生活している方もいらっしゃいました。
お互い自分の時間を持ちたいという、まさにメンパ重視のお客様です。
🏠福島で住み替えを考えている人へ

今住んでいる場所での住み替えを考えるなら、新築にこだわらず中古という選択肢を持っておくだけで、心の余裕は変わってきます。
調査では、住宅を購入・建築・リフォームしようと思った理由として「老後の安心のため、住まいを持ちたいと思った」が19%で最多となり、2023年以降で初めてトップになりました。
年代を問わず、「安心」を求める流れが強まっているのです。
「完璧な家」を探すのではなく、「ちょうどいい家」を見つける。
その視点の転換が、これからの住まい選びには必要なのかもしれません。
💫【まとめ】金利にびくびくするより、心に余裕のある暮らしを

金利にびくびくしながら無理な新築のローンを組むよりも、中古住宅で身軽に暮らし始めて、空いた時間とお金を自分の人生に使う。
家は本来安心できる場所でなければなりません。
それこそが今求められている”メンパ”な住まい選びなのかもしれません。
住まいは、人生における大きな決断のひとつ。
だからこそ、効率や正解だけを追い求めるのではなく、自分の心が穏やかでいられる選択を大切にしてみませんか。
【この記事を書いた人】本社 津嶋
出典:「『住宅購入・建築検討者』調査(2025年)」(株式会社リクルート SUUMOリサーチセンター)
出典:中古が新築の2.2倍に。実需層は「中古一択」へAIの普及でメンパ志向が住まい選びの新潮流に/リノベる。ユーザーレポート
