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自宅が浸水被害に遭ったらどうする? 罹災証明書・補助金・消毒・片付けの手続きを時系列で解説

自宅が浸水被害に遭ったらどうする?

罹災証明書・補助金・消毒・片付けの手続きを時系列で解説

 

2026年8月、千葉県では線状降水帯による記録的な豪雨が発生し、佐倉市だけで100棟以上の住宅が浸水するなど、広い範囲で被害が出ました。

特に注目したいのは、被災者の約2人に1人が「浸水想定区域の外」で被害に遭っていたという分析結果です。

ハザードマップで色がついていない場所でも、浸水は起こります。

福島県内でも、2019年の東日本台風(台風19号)で郡山市や本宮市を中心に阿武隈川流域が広範囲に浸水し、多くの住宅が被害を受けました。

「うちは大丈夫」と思っていた方が被災するケースは、決して他人事ではありません。

この記事では、実際に自宅が浸水してしまった場合に「何を」「どの順番で」進めればよいのかを、結論から時系列でまとめます。

✅浸水直後にやるべきことリスト

  1. 片付ける前に、被害状況を写真に撮る(罹災証明書・保険金請求の両方に必須)
  2. 罹災証明書を申請する(自治体窓口へ。申請期限は被害発生から1〜3ヶ月以内が一般的)
  3. 火災保険会社に連絡する(水災補償の対象か確認。罹災証明書と並行して進めてOK)
  4. 消毒・清掃を行う(保健所・自治体の指導に従う。カビ・感染症対策として床下の乾燥が重要)
  5. 災害廃棄物(り災ごみ)を分別して出す(平時と分別ルールが異なることが多い)
  6. 被害区分に応じた補助金・支援金を申請する(区分によって使える制度が大きく変わる)

以下、それぞれを詳しく見ていきます。

1. 片付ける前に、被害状況を写真に撮る

一番やってしまいがちな失敗が「早く片付けたくて、記録を取る前にどんどん掃除・処分してしまう」ことです。

写真がないと罹災証明書の被害認定でも、火災保険の請求でも不利になるため、片付けは記録を取ってからにしましょう。

撮り方のポイント

  • 浸水した高さが分かるように、メジャーや定規を壁に当てて撮影する(床上◯cmなど、被害の程度が一目で分かるように)
  • 家の外観・敷地全体を四方向から撮る
  • 部屋ごと、被害を受けた家財ごとに、遠景+近景の両方を撮る
  • 可能であれば日付・時刻が記録されるスマホのカメラで撮影し、撮った写真はデータのままクラウド等にもバックアップしておく(水没・故障で端末ごと失うリスクに備える)
  • 罹災証明書の申請、火災保険の請求のどちらにも同じ写真を使い回せるので、二度手間にならない

2. 罹災証明書の申請 — すべての手続きの入り口

罹災証明書は、公的支援を受けるための「前提となる書類」です。無料で何度でも発行できるので、多めに取得しておくと後々の手続きで使い回せて便利です。

ポイント

  • 申請窓口は市区町村の防災担当課や税務課が一般的(専用の窓口が設置される場合もあり。)
  • 申請には期限があり、自治体によって被害発生から1〜3ヶ月以内など幅がある。大規模災害では延長されることもあるが、基本は「早めに動く」が鉄則
  • 被害認定は「全壊・大規模半壊・中規模半壊・半壊・準半壊・一部損壊・床下浸水」などに区分され、この区分によって受けられる補助金の金額が大きく変わる
  • 認定結果に納得がいかない場合は、再調査を申請できる

3. 火災保険会社への連絡

契約している火災保険に「水災補償」が含まれているかをまず確認し、含まれていれば早めに保険会社・代理店へ連絡します。

罹災証明書の申請と並行して進めて問題ありません。1で撮影した写真がそのまま被害状況の証拠として使えます。

4. 消毒・衛生対策 — 見た目が乾いても安心しない

 

浸水した家屋は、泥や汚水によって雑菌やカビが繁殖しやすい状態になっています。

自治体や保健所が消石灰の配布や消毒方法の指導を行うことが多いので、地域の広報やホームページを確認しましょう。

  • 床上浸水の場合、床材をはがして床下までしっかり乾燥させることが重要(表面だけ乾いていても内部に湿気が残るとカビの温床になる)
  • 家具・畳など水を吸ったものは、廃棄も含めて早めに判断する
  • 感染症予防のため、清掃時はゴム手袋・長靴・マスクを着用する

5. 災害廃棄物(り災ごみ)の出し方

浸水で使えなくなった家具・畳・家電などは、平時のごみ収集ルールとは分別方法が異なることがほとんどです。

自治体が仮置き場を設置するケースも多いので、通常のごみ集積所に出す前に自治体の案内を確認しましょう。

6. 補助金・支援金の申請 — 「床上」と「床下」で天と地ほど違う

ここが一番誤解されやすいポイントです。国の主要な支援制度(被災者生活再建支援金・住宅の応急修理制度)は、基本的に「半壊以上」が対象で、床下浸水の場合はこれらの対象外になるケースがほとんどです。

申請の流れ

  1. 2で取得した罹災証明書をもとに、被害区分(全壊〜床下浸水)を確認する
  2. 区分に応じて使える制度を絞り込む(下記参照)
  3. 各制度の窓口(市区町村の福祉・防災担当課が多い)で必要書類を確認し、申請する
  4. 基礎支援金と加算支援金は同時申請の必要はなく、まず基礎支援金を申請し、住宅の再建方法(建替え・補修・賃貸など)が決まってから加算支援金を申請することもできる

半壊以上(床上浸水で被害が大きい場合)

  • 被災者生活再建支援金:被災者生活再建支援法が適用された災害で、被害区分に応じて基礎支援金+加算支援金、最大300万円程度
  • 住宅の応急修理制度:大規模半壊・中規模半壊・半壊で1世帯あたり75万7,000円以内(2026年4月時点の金額。制度上限は毎年見直されるため、申請時に最新額を自治体に確認する)
  • 適用には「被災者生活再建支援法」や「災害救助法」がその災害に対して適用されていることが前提。小規模な被害では制度自体が使えない場合もある

床下浸水・軽微な被害の場合

  • 国の主要制度の対象外になりやすいが、所得税の雑損控除は床下浸水でも申請可能
  • 自治体独自の災害見舞金(1〜3万円程度)が支給されるケースもある
  • 固定資産税・住民税などの減免・猶予制度は被害区分以外の要件でも使えることがある

公的支援と火災保険は併用できる

公的支援は行政の制度、火災保険は民間の契約でまったく別物です。両方をフルに活用するのが基本になります。

※支援内容・金額は災害の規模や自治体、年度によって変わります。実際の申請前に、お住まいの市区町村窓口で最新情報を必ず確認してください。

❓よくある質問(FAQ)

Q. 床下浸水でも罹災証明書は取得すべき?

A. はい。床下浸水では公的支援がほぼ受けられないケースが多いですが、無料で発行でき、雑損控除や自治体独自の見舞金など使える制度もあるため、取得しておいて損はありません。

Q. ハザードマップで色がついていない場所なら安心?

A. 断定はできません。洪水ハザードマップは主に河川の氾濫を想定したもので、排水が追いつかずに水があふれる「内水氾濫」は反映されにくい傾向があります。実際に令和8年8月千葉豪雨では、被災者の約半数が浸水想定区域の外で被害に遭っています。

Q. 罹災証明書と火災保険、どちらを先に手続きすればいい?

A. 並行して進めて問題ありません。写真などの被害記録は両方で使えるため、片付け前にまとめて撮影しておくのがおすすめです。

Q. 支援金の金額はどこで確認できる?

A. 制度上限は年度や災害の規模によって変わるため、最終的には罹災証明書を申請する市区町村の窓口で最新の金額・対象条件を確認してください。

🌟まとめ

浸水被害は「うちの地域は大丈夫」と思っていても起こり得るものです。

いざという時に落ち着いて動けるよう、

①片付け前の写真撮影

②罹災証明書の申請

③保険会社への連絡

④消毒・清掃

⑤災害ごみの分別

⑥補助金申請

という流れをぜひ覚えておいてください。

【この記事を書いた人】本社 津嶋


参考リンク

※支援金額・制度の適用条件は年度や災害ごとに変わるため、記事公開時に最新情報へのリンク切れがないか確認してください。