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【コラム】空き家が「誰かの家」になる日―ひとり親シェアハウスという選択肢

先日、東京・豊島区で進むシングルマザーシェアハウスの取り組みを知り、しばらく頭から離れませんでした。

不動産の仕事をしながら、衣・食・住のうちの「住まいって本当に大事だな」と感じる場面は多いのですが、その「当たり前」にたどり着けないお母さんたちがいる現実を、改めて突きつけられた気がしました。

 

💭84%が「不利益を経験した」という数字

NPO法人全国ひとり親居住支援機構の調査によると、母子家庭の84%が賃貸入居時に何らかの不利益を経験しています。

中には、収入も問題なく保証会社も通過した後に、「母子家庭だから」という理由だけで断られたケースも。

不動産側の事情も分からなくはないんです。

家賃滞納のリスク、保証人の問題、子供がいることへの不安……。

でも、だからといってその壁をそのままにしていていいのか。同じ子を持つ世代として私はずっとそこが引っかかっていました。

住まいが決まらないと、保育園も探せない。
保育園がないと、仕事に就けない。
仕事がないと、また家が借りられない。

この三重苦の連鎖が、ひとり親世帯の自立を阻んでいます。

 

💘「巧いな」と思った豊島区モデルの仕組み

不動産屋の目で見て、このモデルは本当によく考えられていると思いました。

関係者それぞれの課題を、一つの仕組みで同時に解決しているんです。

このモデルでは、
関係者悩み解決策
空き家オーナー空き家をどうしようNPOが借り上げ・改修費も負担。区の補助金も。
運営事業者リスクが大きくて踏み出せないNPOがリスクを引き受け、運営に専念できる
ひとり親・妊婦・若者審査が通らないNPOが契約主体になることで壁を解消

大家さんも、運営者も、入居者も、みんなが「よかった」と思える設計。

単純に「支援してあげる」という構図じゃなくて、それぞれの課題を組み合わせて解決している。

これは、本当に大事な視点だと思うのです。

官民一体となって取り組まなければ実現しない構図です。

 

🏠「子供をみんなで育てる」を現代の形で

仕組みの話だけじゃなくて、このシェアハウスに流れている空気感にも惹かれました。

経済的に自立したら卒業できる。

でも、そこで出会った仲間や経験は残る。子供たちもいろんな大人や家族の形を見ながら育っていく。

昔の日本に普通にあった「地域でみんな育てる」感覚を、現代の形で意図的に作り直そうとしている。

求めている形ってこれだよね!これが実現していることはとてもすごいことだと思います。

 

🤔福島でも、この発想は使えるはず

「都会だからできた話」と片付けるのは、もったいないと思っています。

福島は空き家問題も深刻で、活用されていない物件はたくさんある。困っているひとり親世帯も、確実にいる。

不動産事業者は、物件情報・オーナーさんとのネットワーク・契約実務という点で、この仕組みの中に入れる立場にあります。

今すぐ同じことができるとは言いません。

でも、こういうモデルがあると知ること、地域に伝えること、関心のある人同士をつなぐこと。そこから始められると思っています。

空き家が「誰かにとっての家」になる。その可能性を、もっと地域で広げていきたいと、一不動産屋として思っています。

空き家の活用について、一緒に考えてみませんか?

 

参考:NPO法人全国ひとり親居住支援機構

参考:豊島区に空き家活用したひとり親向けシェアハウス | 最新不動産ニュースサイト「R.E.port」

 

【この記事を書いた人】本社 津嶋